2019年2月1日~2019年3月15日に開催したcotenコンテスト「メッセージ」にご応募いただいた皆様、誠にありがとうございました。
cotenの特性を活かした、素晴らしい作品が数多く集まりました。
審査員の佐藤 かな子先生より、受賞された作品に講評をいただいておりますので、併せてご覧ください。
或る日日常がどこか懐かしさを感じる「或る、非日常」に。
窓の外を眺めるシーンから始まり、回想シーンの断片が色彩と共に立ち上げり、また日常に戻ってくると言う構成。作品点数の関係もあって、場面の繋げ方が難しかったかなと思いますが、ショートムービーを観たような気持ちになりました。お母さんとの思い出でしょうか、もしくはこれからお母さんになるのかしら?などと、オーバーラップする情景から様々なストーリーを連想することができました。
何気ない日々の中で発せられる、ささやかな意思(メッセージ)をまとめたモノクローム集です。
『面白き事もなき世を面白く すみなすものは心なりけり』ではございませんが、
見方しだいで、私たちが日常を送っているこの街が、とても興味深い場所になることを願っています。
次の作品にワクワクしながらクリックしてしまいました。場面の切り取りや、光と陰のバランス、タイミングが絶妙ですね。カラー作品も面白かったですが、質感描写やスピード感もあるモノクロのシリーズを選ばせていただきました。また他人を写しながら、そこに自分を重ねて見つめているような気配もあり、影から浮かび上がるメッセージを感じて面白かったです。
2人目が誕生すると分かった日から、着々とお兄ちゃんになる覚悟してきた君
ひとりからふたり
モデルが増えるのが楽しみでした。
今回のテーマ通り、ストレートにメッセージが込められた作品でした。構成もとてもシンプルなのですが、それ故すーっと映像が心に入ってきます。
4枚目の作品では、レンズ面についた水滴から、陽が沈むまで一緒に波打ち際で遊んでいた様子が想像できますね。小さな足跡の時期は短いかと思いますが、「ちゃんと見ていたよ」と、数十年後にも残るメッセージ(ラブレター)として、沢山シャッターをきって欲しいと思います。
時は止まり、あの日は戻らず、人は泣き、故郷は独り帰りを待ち、路は八年の重さを刻み、釦は八年の長さを留め、そして、大地は支え、松は踏ん張り、曇天を破る。
二月の末に福島県いわき市から宮城県仙台市までの沿岸部を自転車で旅しました。復興がどのように進んでいるのか。爪痕は未だあるのか。まちはどんな表情をするか
たくさんのことが頭をめぐりながらも、記録に遺すためにもシャッターを切りました。あの惨劇を、八年という歳月は少しづつながらも確実に癒し、復興を前に進ませています。
あの震災からの復興を人の笑顔や賑わいで遺そうとする写真は数多くあります。しかし、まちという観点からの写真は少ないのではないでしょうか。これを見た皆さんには沿岸部の現状を知るきっかけを得て欲しいですし、できることなら足を運んで頂きたいです。そこで、「復興」という言葉の難しさを考えることになるでしょう。
〝再び〟を強調したタイトルに気持ちを込めながら、淡々と福島の現状を切り取っています。背景などを僅かにぼかして見せることで、現実は見る側自身の目でよく見てほしい、と言うメッセージも感じられました。光の質感で、希望と現実を写し分けている点も印象的です。目を逸らしてはいけない光景として、ここに残したいと思いました。
街中でのスナップ撮影や水中撮影を行い、国内外で個展を開催。
写真教室・撮影イベントでの講師業、また雑誌・書籍への作品掲載や執筆を行う。
キヤノンEOS学園講師 / EIZO ColorEdgeグローバルアンバサダー